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ニュースレター第10 7/1/2016

 

目次:

1.中南米市場、ここがポイント

2.TWI GLOBAL BUSINESS事業案内

―― 米国及び中南米向けマーケットリサーチ・コンサルティングサービスをご提供

 

1.中南米市場、ここがポイント

TWI GLOBAL BUSINESSは米州地域の政治経済やビジネスに関する記事を皆様にお送りしています。

 

ポイント1.「Brexit」は対岸の火事ではない

英国民はEUからの離脱の道を選択しました。EU加盟国の離脱は創設以来前例がなく、今後の離脱交渉の難航が予想されています。

金融市場だけでなく、中長期的には貿易への影響も懸念されます。「離脱」は言い換えればEU加盟国として受けていたメリットの「剥奪」を意味します。貿易面では、英国と他のEU加盟国が相互に撤廃していた輸入関税が復活するリスクなどが考えられます。英国のEU向け主要輸出製品には自動車、航空機部品、電気電子機器などが挙げられますが、離脱後にはEUでの輸入の際に関税を課される可能性があります。英国側のEU製品に対する関税もしかりです。加えて、EUと共に進めてきた域外諸国・地域とのFTAからも脱退しなければならないかもしれません。

上記はすべて今後の離脱交渉の結果次第となりますが、経済的繋がりの強い英国・EU間ではFTAやそれ以外の経済統合のかたちで貿易の自由化を維持するインセンティブが相互に強いのではないかと考えられます。

他方、EU域外諸国・地域とのFTAがどうなるかは未知数です。EUは多くの中南米諸国とFTAを結んでいます。メキシコ、中米諸国、カリブ諸国、コロンビア、ペルー、チリなどのあいだでFTAを発効させており、南米南部共同市場(メルコスール、加盟国:ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ)とのあいだでFTA交渉を進めています。英国が域外国・地域とのFTAのメリットを維持するためにはそれぞれと再度交渉する必要があるでしょう。交渉結果次第では現行の特恵関税を維持できるかもしれませんが、その交渉は途方もなく大変な作業になると考えられます。

中南米諸国でFTAを利用して英国向けに製品を輸出している日系企業にとっては「Brexit」は対岸の火事ではないようです。

 

ポイント2.「地の利」を活かして一大ハブに発展 ― 中南米ビジネス拠点の考察③ ―

フロリダ州マイアミが「中南米の首都」と呼ばれる所以を数字から見てみます。本号では中南米地域での営業活動、各国の顧客や地場ディストリビュータなどの招聘、製品の輸出入や修理といったオペレーションで重要となる交通および運輸インフラを分析します。

まずは交通。マイアミ国際空港(MIA)の2015年年間乗客数は4,430万人で全米12位ですが、国際便乗客数を見ると2,120万人でニューヨークのJFK空港に次いで全米第2位となります。中南米・カリブ都市への便に限れば、MIAは計76都市(2016年時点)とのあいだで直行便を有しています。2013年の同地域都市との便の乗客数は1,510万人にのぼり、全米2位のJFK700万人)を二倍以上離しています。

米国の都市のなかでは中南米都市とのあいだで地理的距離が近く、マイアミから飛行機で3時間圏内にはドミニカ共和国の首都サントドミンゴ(2時間強)、プエルトリコのサンフアン(2時間半)、パナマのパナマシティーやコスタリカのサンホセ(2時間半強)、4時間圏内になるとベネズエラのカラカス(3時間強)、コロンビアのボゴタ(3時間半)、メキシコシティー(同)など大都市が入ってきます。そして5時間強ではブラジルのマナウスが視野に入ってきます。便数も多く、都市によってはマイアミから日帰りや一泊で出張が可能です。交通の利便性は米国の都市のなかでは別格といえます。

マイアミの地理的距離や国際便数の優位性は中南米諸国との貿易にも表れています。MIAの国際便貨物取扱量は192万トン(2014年)となり、2位のロサンゼルス空港(115万トン)を大きく離して全米トップです。貿易額の国別ランキングでは1位のブラジルや2位のコロンビアをはじめ、10位の香港を除けばすべて中南米諸国が占めています。事実、米国と中南米諸国間の国際便貨物取扱量のうち、じつに全輸出の81%、全輸入の84%をマイアミが占めているのです。MIAが取り扱っている製品は、輸入では生鮮食品が占め、輸出ではPC、工作機械、通信機器、メタル、自動車部品などが上位に入っています。

マイアミ港の輸出入先の内訳もMIAと同様に中南米諸国が上位を占めています。2015年の輸出額では12位の中国まではすべて中南米諸国となっています。輸入額では1位は中国ですが、2位はホンジュラス、3位はドミニカ共和国、4位はコスタリカと中南米勢が続いています。

交通や運輸の数字を見ただけでもマイアミの中南米諸国との強い結びつきが分かるかと思います。次号ではマイアミの中南米ビジネスを支える人材や大企業の顔ぶれなどを説明します。

 

2.TWI GLOBAL BUSINESS事業案内

世界一の経済規模を誇る米国、その南には新興市場の中南米地域が広がります。

これら有望市場へのアプローチの際には言語・文化の違い、地理的距離、異なるビジネス慣習といった多くの障壁に直面します。

米国・中南米に関心はあるものの、足がかりを見い出せずにお困りの方。現地取引相手やパートナーのサーチ、市場調査、進出のための事前調査などをご希望の方はいらっしゃいませんか?

TWI Global BusinessDiv. of Teruko Weinberg, Inc.)では10年以上の中南米での経験、同地域に幅広いネットワークを持つスタッフがお客様のビジネスを全力でサポート致します。どうかお気軽にお問い合わせください。

 

担当者:Executive Researcher/Consultant 水野 亮

経歴:米国、ブラジル、ドミニカ共和国、ニカラグア、タイなどにおいて政府機関やマーケットリサーチ会社での駐在経験、前職の日本貿易振興機構(ジェトロ)在勤中には東京本部やニューヨーク事務所にて中南米・米国市場や通商政策などに関する調査業務に従事。中南米・米国地域に幅広い人脈を有する。米コロンビア大学国際関係・公共政策大学院卒。著書には「中南米ビジネス拠点の比較と米国企業の活用事例」「米国からの中南米市場戦略」「FTAガイドブック2007」「FTA新時代」「ブラジルの電力危機」など多数。

 

事業概要:戦略策定支援、リサーチ、現地パートナーとの仲介、輸出入促進支援、コンサルティング、信用調査・デュー・デリジェンス、情報提供サービスやセミナー含む各種イベントの開催など

 

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