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ニュースレター第14 10/3/2016

 

目次:

1.中南米市場、ここがポイント

2.TWI GLOBAL BUSINESS事業案内

―― 米国及び中南米向けマーケットリサーチ・コンサルティングサービスをご提供

 

1.中南米市場、ここがポイント

TWI GLOBAL BUSINESSは米州地域の政治経済やビジネスに関する記事を皆様にお送りしています。

 

ポイント1.中南米市場目指す企業が集中 ― 中南米ビジネス拠点の考察④ ―

フロリダ州マイアミが「中南米の首都」と呼ばれる所以は前回ご紹介した交通・運輸インフラ面だけではありません。中南米ビジネスを展開する多国籍企業が数多く存在し、それらのオペレーションを中南米専門の法律事務所やコンサルティングなどのサービス企業や政府機関、各種団体が支えています。

マイアミのメディア会社World Cityは「The Multinational Directory: Who’s Here」にてフロリダ州南部にある多国籍企業(注.World Cityの定義では二ヵ国以上で操業する企業)を毎年発表しています。同誌の2016年版によると、マイアミを含むフロリダ州南部には計1,439社の多国籍企業(マイアミ・デード群:1,042社、ブロワード群:265社、パームビーチ郡:132社)が存在します。出身国別では米系が852社とダントツ、スペイン系(86社)、イギリス系(48社)、フランス系(48社)と欧州勢が続き、日系(30社)は8位につけています(アジアではトップ)。

米系企業の顔ぶれには運輸のワールド・ヒュエル・サービシズ、クリーンエネルギーのネクステラ・エナジー、オフィス小売のオフィス・デポ、クルーズのカーニバル・コーポレーション、ワイヤレス機器のブライトスター、運輸のライダー、情報システムのシトリックス、食品のバーガーキングといった大手が本社を置いています。欧州勢ではスペインのテレフォニカ、イギリスのHSBCSABミラー、フランスのダノン、スイスのノバルティスなど有名企業が中南米拠点を置いています。

これらの多くが中南米ビジネスに関わっています。1,439社のうち、本社を含むグローバル管轄機能を有する企業数は全体の24.7%、米州管轄は18.8%、中南米管轄は30.6%、ローカルオペレーションは26.0%となっています。グローバル管轄機能が中南米のオペレーションを含むと仮定すると、全体のじつに4分の31,066社)にあたる企業がフロリダ州南部から中南米ビジネスを展開していることになります。

これらの企業のオペレーションを支えるのが法律事務所、コンサルティング、市場調査、システム、ロジスティクスなどのサービス業やメディア、各国のビジネス団体、研究機関、総領事館などの政府・団体です。サービス業の多くは中南米ビジネスに特化しています。メディアでは「マイアミヘラルド」など一般紙に加え、「ラテン・トレード」、「ラテンベックス」、「ラテンファイナンス」といった専門誌が貴重な中南米の情報ソースとなっています。ビジネス団体には、中南米諸国と米国企業の間の情報交換やビジネスマッチングを支援するブラジル・米国商工会議所、アルゼンチン・米国商工会議所、コロンビア・米国商工会議所など、マイアミ含む南フロリダ地域の商工会議所であるグレイター・マイアミ商工会議所、中南米関連セミナーやビジネスミッションなどを主催する米州評議会(Council of the Americas)マイアミ支部などがあります。

近年には中国、韓国、台湾の政府や団体もマイアミを拠点として中南米ビジネスの促進に力をいれているようです。中国はチャイナ・ラテンアメリカン・トレードセンター(China Latin American Trade Center)と呼ばれる団体が中南米各国からバイヤーを招いて中国製品の展示会を開催。台湾の台湾貿易センター(TAITRA)のマイアミオフィスは、台湾企業を率いた貿易ミッションを実施、マイアミ・中南米ビジネス向けに各種展示会やビジネスマッチングを開催しているようです。

中南米ビジネスを展開する大企業とそれを支えるソフトインフラの充実。これらが一体となって「中南米の首都」を形成しているのです。

 

ポイント2.「平和」のメッセージ、世界に発信

102日現在、コロンビアでは歴史的な国民投票の開票が行われています。反政府ゲリラ組織FARC(ファルク)との内戦の和平合意の是非を国民に問いているのです。和平合意が成ったとしても、FARC以外のゲリラ組織や麻薬組織が国内には存在し、完全に平和が戻るとはいえない面もあります。しかし、最大組織のFARCとの内戦終結は、コロンビア国民に安堵をもたらすと同時に、海外に向けても同国の治安改善という大きなメッセージを発信することになるでしょう。

コロンビア政府はウリベ前政権時代より米国軍の協力を得つつゲリラの一掃作戦を展開してきました。同時に、政府は軍や警察の予算を拡大し、特に都市部における治安の改善に取り組んできました。その結果、殺人や誘拐発生件数は大幅に減少し、現在では首都ボゴタの犯罪率はブラジルやメキシコの大都市より低いといわれます。治安の改善に伴い、欧米企業は従来の鉱山・石油資源部門のみならず、消費市場を狙って都市部のサービスや製造部門にも相次いで進出しています。

欧米企業を中心に対内直接投資はすでに増加傾向にあったこともあり、FARCとの和平実現がコロンビア経済に与える影響は限定的と見る向きがあります。増加する投資や観光客の観点では、和平の経済的利益の殆どはすでに実現しているとの声が聞かれます。他方、ゲリラの活動は地方で最も活発でした。地方の治安が改善すれば、食料供給力を拡大するための開発プロジェクトやコロンビアの経済発展の足枷となっている道路などインフラ整備が進展すると期待する声が聞かれます。危険地帯にある石油鉱区の開発も進むかもしれません。

和平実現によるコロンビアのイメージアップで欧米勢に遅れる日本をはじめアジア企業の進出が増える可能性もあります。日本はコロンビアとの経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉で最終局面を迎えています。EPAの実現がコロンビアのイメージ改善とあいまり、これまで消極的であった日本企業の取引や投資を後押しする可能性も考えられます。

コロンビアの主要輸出品目である資源の価格は低迷を続けていますし、税制改革や道路など輸送インフラ整備の問題を抱えているのも確かです。和平合意に基づく改革にはコストも伴います。しかし、蓋を開けてみれば中南米地域ではブラジル、メキシコに次ぐ第3位の人口、第4位の経済規模を誇る有望市場。和平の実現がコロンビア・ビジネスにもたらすメリットは必ずしも小さくないと考えられます。

               

2.TWI GLOBAL BUSINESS事業案内

世界一の経済規模を誇る米国、その南には新興市場の中南米地域が広がります。

これら有望市場へのアプローチの際には言語・文化の違い、地理的距離、異なるビジネス慣習といった多くの障壁に直面します。

米国・中南米に関心はあるものの、足がかりを見い出せずにお困りの方。現地取引相手やパートナーのサーチ、市場調査、進出のための事前調査などをご希望の方はいらっしゃいませんか?

TWI Global BusinessDiv. of Teruko Weinberg, Inc.)では10年以上の中南米での経験、同地域に幅広いネットワークを持つスタッフがお客様のビジネスを全力でサポート致します。どうかお気軽にお問い合わせください。

 

担当者:Executive Researcher/Consultant 水野 亮

経歴:米国、ブラジル、ドミニカ共和国、ニカラグア、タイなどにおいて政府機関やマーケットリサーチ会社での駐在経験、前職の日本貿易振興機構(ジェトロ)在勤中には東京本部やニューヨーク事務所にて中南米・米国市場や通商政策などに関する調査業務に従事。中南米・米国地域に幅広い人脈を有する。米コロンビア大学国際関係・公共政策大学院卒。著書には「中南米ビジネス拠点の比較と米国企業の活用事例」「米国からの中南米市場戦略」「FTAガイドブック2007」「FTA新時代」「ブラジルの電力危機」など多数。

 

事業概要:戦略策定支援、リサーチ、現地パートナーとの仲介、輸出入促進支援、コンサルティング、信用調査・デュー・デリジェンス、情報提供サービスやセミナー含む各種イベントの開催など

 

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