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TWI Global Business ニュースレター 第31号 05/08/2018

TWI Global Business (Div. of Teruko Weinberg Inc.)

目次:

2018年は中南米消費市場回復の年に

 

2018年は中南米消費市場回復の年に

ブラジルやアルゼンチンの景気回復やメキシコ、コロンビア、ペルー、チリなどの堅調な成長に伴い、過去数年低迷が続いた中南米の消費市場は2018年には回復に向かいそうです。

2018年には大きなイベントが控えています。まずはサッカーワールドカップ・ロシア大会。サッカーに熱狂的な市民のテレビ、パソコン、スマートフォンなどの買い替えを助長しそうです。コロンビア、メキシコ、ブラジルなどの主要国では大統領選が予定されています。選挙期間には現政権が財政出動する傾向が強まり、景気を刺激する可能性があります。 中南米地域で進むインターネットの普及やEC市場の拡大も消費向上の要因となっています。同地域のインターネット普及率は約六割に達しているといわれています。消費者はブランド検索や価格比較にインターネットを利用する傾向があり、インターネットの普及は購買意欲の向上につながると考えられます。EC市場は同地域の小売販売額全体の3%に過ぎないですが、ECを通じた購買はここ数年平均15~30%の成長が続いています。

製品別では自動車、パソコン、スマートフォン、化粧品、医薬品などの需要の伸びが目立っています。
最大の自動車消費市場ブラジルでは景気の回復に伴い、販売台数は2017年には前年比9.2%増の223台9,682台を記録しました。2018年第一四半期の販売台数は前年同期比48.2%増の69万9.657台と好調を維持しています。ブラジル全国自動車工業会(Anfavea)は2018年には前年比二桁の成長を予想しています。 アルゼンチンは2017年には前年比26.9%増の90万942台、チリでは同18.1%増の36万900台といずれも二桁成長となりました。チリ全国自動車商業会議所(CAVEM)は2018年の販売台数は40万台に達すると予測しています。他方、メキシコの2017年の自動車販売台数は153万317台にとどまり、前年比で4.6%減となりましたが、電気自動車(EV)の販売台数は前年比32%増の8,268台を記録しました。モーダーインテリジェンスによると、2017年から2020年の中南米諸国の自動車販売額について年平均4.67%増の堅調な成長が見込まれています。

パソコンはどうでしょうか。2016年に輸入規制などを緩和したアルゼンチンのノートブック販売台数は2017年には前年比55%増の55万7,000台となりました。チリでは2011年から2017年までの七年間のパソコン販売額は世界平均の四倍にあたる116%増を記録しました。中南米諸国のスマートフォンの販売額は2017年には前年比5%増の1億4,600万ドルとなりました(調査会社カウンターポイント・データ)。

中南米諸国の化粧品販売額は2017年には596億3,000万ドルを記録しました(調査会社インクウッド・データ)。この市場は2018年~2026年には年平均4.05%増が続き、2026年には836億4,000万ドル市場に成長すると見込まれています。世界有数の市場規模を誇るブラジルでは2017年こそ景気回復の波に乗り遅れましたが、2018年には7.5%増と見通されています。メキシコでは2017年には82億ドルの販売額を記録、前年比11%増と力強い伸びを見せました。ペルーでは同8.1%増の23億ドルとなりました。中南米諸国の医薬品市場は2018年~2028年の期間の上半期で年平均9.3%の大きな成長が続くと予測されています(調査会社レポートリンカー・データ)。

期待が膨らむ消費市場ですが、不安要素もあります。米国のトランプ大統領が繰り出す輸入制限措置やNAFTA再交渉の行方、主要国で控える大統領選はポピュリストの健闘など状況次第では市場の不安定要因ともなりえます。しかし、上記のイベントやインターネット普及やEC市場の拡大、そして主要国での健全なマクロ経済運営など市場を下支えする材料が多く、2018年は消費市場回復の年となりそうです。

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