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TWI Global Business ニュースレター 第39号 3/2/2019

TWI Global Business (Div. of Teruko Weinberg Inc.)

目次:

「社会主義国」退治の動きに注意

 

「社会主義国」退治の動きに注意

トランプ大統領は2月5日の教書演説で対ベネズエラ政策について言及しました。1月10日に暫定大統領を宣言したフアン・グアイド国民議会議長を米国政府が同国唯一の政権(注)と認めると同時に、マドゥロ政権の残虐性や同氏の社会主義的政策が「南米地域で最も豊かな国を赤貧かつ絶望の国に変えた」と痛烈に非難したのです。
対ベネズエラ強硬姿勢は大統領就任当初から見られています。外交面では国民への圧政を非難する中南米や欧州諸国と協力してベネズエラ包囲網を形成、経済面ではマドゥロ政権に対する一連の制裁措置の発動を通じて圧力をかけてきました。
そして1月28日にはベネズエラ政府にとって最大の収入源である国営石油公社(PDVSA)の資産凍結および米国企業・個人の同社との取引の原則禁止を内容とする制裁措置を発動しました。同国から主に重質油を輸入している米系精油大手はすでにPDVSAとの取引から手を引きつつあるようです。
同時に、米国務省は米国内にあるベネズエラ政府の銀行口座の資産を管理する権利をグアイド暫定大統領に与えている旨1月29日に発表しました。ベネズエラ政府転覆に向けて本格的な動きを見せています。

トランプ大統領はキューバに対する圧力を強化する動きも見せています。問題となっているのは1996年ヘルムズ・バートン法です。同法第三章は、キューバ政府に接収された米国民資産を取引する者が損害賠償請求権を有する米国民に対して責任を負うという内容。第三国にも適用される、いわゆる「域外適用」をその特徴としており、影響を受ける多くの国により問題視されてきました。施行当初、特にキューバとの取引が多いカナダや欧州諸国が相次いで米国に対する報復措置を発表、これを受けて米国の代々の大統領は6カ月ごとに第三章の実施の停止を繰り返し、今日にいたるまで実際の適用にはいたっていません。

しかし米国務省は1月16日、第三章の適用の延長を2月1日から3月18日までのわずか45日間とし、そのあいだに米国民の同法の権利について検討する方針を打ち出しました。2018年中間選挙中にジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当補佐官は対キューバ強硬派の多いキューバ移民に第三章の適用を検討する旨言及しており、ながいあいだ眠っていた措置が実現するリスクが高まっているといえます。
キューバにはカストロ政権(当時)に接収された米国資産が数多くあるといわれます。カナダや欧州諸国のみならずキューバでビジネス活動をする外国企業はこの動きを注視すべきと考えられます。

注.2018年5月20日実施の制憲議会による大統領選の結果、マドゥロ大統領の再選が決まりました。これに対して選挙結果を認めない国が相次ぎました。1月23日に実施された二期目のマドゥロ政権に対する抗議デモに集まった市民を前に、グアイド国民議会議長は自由な大統領選挙が実施されるまでの30日間に自らを暫定大統領とする旨宣誓しました。米国をはじめ中南米諸国や欧州の一部の国が支持を表明しています。 写真添付

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