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TWI Global Business ニュースレター 第41号 4/17/2019

TWI Global Business (Div. of Teruko Weinberg Inc.)

目次:

ブラジル新大統領に早くも黄信号点滅 ― 議会調整が必要不可欠に ―

 

ブラジル新大統領に早くも黄信号点滅 ― 議会調整が必要不可欠に ―

1月に就任したブラジルのボルソナーロ大統領に早くも黄信号が点滅しています。4月7日付のダータフォーリャ世論調査によると、大統領に対して「非常に良い」あるいは「良い」と答えた回答者の割合は32%にとどまり、「非常に悪い」あるいは「悪い」と答えた回答者30%をかろうじて上回る結果となりました。 大統領就任日から100日くらいまではハネムーン期間と呼ばれ、国民は大統領に対してある程度寛大な見方をします。就任わずか三カ月でのこの低い支持率は、大統領の議会やツイッターを通じた数々の「悪態」、公約どおりではあるものの銃所有要件の緩和や環境規制緩和などリベラル派のみならず中道左派を刺激する政策の導入などが要因に挙げられます。

加えて、選挙戦勝利時の期待が高すぎたことが大きな原因の一つとも考えられます。上記の世論調査の回答者の約六割がボルソナーロ政権の政策を「期待していたよりも低い」と評価しています。労働党(PT)を中心にエスタブリッシュメント政党による相次ぐ賄賂事件で政府が国民の信頼を落とす中、徹底して腐敗や犯罪撲滅を訴えるボルソナーロ大統領の姿は少なくとも一部の国民には「救世主」に映りました。歴史的な景気後退期の中、財政健全化や民営化の実現に関する公約もビジネス界からの支持を集めました。事実、ボルソナーロ政権は公約の実現に向けて積極的に動いています。たとえば政治経済面では行政手続きの簡素化や省庁の整理・統合、徹底的な閣僚主義の排除、三省統合で生まれた経済省の大臣に市場で信頼の厚いゲデス氏の任命、インフラ整備への取組みなど枚挙にいとまがありません。いかなる政策であっても三カ月という短期間で世の中が良くなることはむしろ考えにくく、当初の過剰な期待がゆえに期待と現実の差が開いていると考えられます。

ブラジル経済の回復ペースは予想より遅れています。IMFは2019年の経済成長率予測を1月の2.5%から4月には2.1%に引き下げました。経済回復を実感出来ないでいる国民の政権に対する見方は一層厳しくなりそうです。

そんな中、最重要課題である年金改革の実現が必要不可欠となっています。年金改革は憲法改正法案であり、上下両院ともに議席数5分の3以上の賛成票が必要となります。今までのように議会で「悪態」をつくばかりではいられません。自身の社会自由党(PSL)は先の選挙で議席を伸ばしたといえ少数党に変わりはなく、他党との議会調整が求められます。テメル前大統領は議会調整に定評がありましたが、それでも年金改革を実現することはできませんでした。

支持率を落としたボルソナロ大統領がいかに議会と調整していくかに注目が集まります。

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